HTLV-1関連脊髄症(HAM)の発症メカニズム解明-聖マリアンナ医科大学 山野嘉久准教授
脊髄(せきずい)に慢性の炎症が起こり、歩行困難などになる難病「HTLV-1関連脊髄症(HAM)」の発症メカニズムについてです。
HAMは母乳や精液を通して白血病ウイルス「HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)」が免疫細胞に感染、発症する。HTLV-1感染者は全国に108万人居ると推定され、感染者400人に1人の割合でHAMを発症するので日本での患者は推定3000人。(一部要約)
山野准教授らは、患者の髄液で、CXCL10というタンパク質の濃度が、健康な人の100倍以上になっている点に注目した。
山野准教授は、患者の脊髄内部の異常でCXCL10が大量に作られ、ウイルスに感染した免疫細胞を脊髄に引き寄せ、炎症を慢性化させていることを突き止めた。また、患者21人の血液に、CXCL10の反応を邪魔する物質を投与したところ、脊髄へ引き寄せられる免疫細胞の数が減り、炎症の慢性化を抑えることにも成功した。
これらの新聞記事のもととなった論文はこちらです。
Positive feedback loop via astrocytes causes chronic inflammation in virus-associated myelopathy (Brain 2013 July 26)
雑誌のインパクトファクターは9.915です。
主著者は安藤仁さん、責任著者は山野嘉久先生。
山野嘉久先生の研究室のHPはこちら。
<追記>
7月の論文が今頃報道されたのはなんでだろうと思ってたんですが、
HTLV-1対策推進協議会というのは9月25日にあったことと関係あるんでしょうかねえ。
HTLV-1感染、関東などで増加- 厚労省協議会で調査報告 | 医療介護CBニュース
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